「あっ、五人、です。だよな?」
「お、おう。」

男子もさすがに怖がっている様子で受け答えた。
そうなるのも無理はない…。

真っ黒な瞳に右だけに口角が上がっていて。
バーテンダーのようなきちっとした服装で。
顔にはばっちりメイクが施されている。
不審で不気味。
この言葉が丁度いいに違いない。

「五名様、かしこまりました。では案内します。」

女の人に案内されるがまま、部屋に案内される。
え…?

―案内されたのは、ホールのような広い場所だった。
照明?そんなものは存在しない。

何メートルかおきに、ろうそくが虚しく灯されているだけ。
…そしてカラオケの機械なんて見当たらない。
私達は、楽しくカラオケをしに来たはずなのに。

「佐多様。五名様ご案内です。」

不可解なことを、口にする女。
今度の今度こそ、背筋が凍った。

[そうか、ご苦労。丁度良い人数に達したな、早速始めようか。]

「はい、了解しました。」

全く理解不能な会話をしている。
勿論、その場に呆然とたたずむ私達。
そして、女の人がスクリーンの電源を入れた。

――すると、仮面をつけた男が映し出された。