それから他愛のない話をして、いつの間にか面会時間終了の時刻になっていた。 「じゃあ、また明日な」 「うん、また・・・「退院したら、どこ行きたい?」 私が明日と言う前に凌哉がそう聞いてきた。 「え?」 「ずっと病院にいて、退屈してたろ? だから明日はどこにでも好きなとこ連れってやるよ」 「ほ、ほんと?」 私は胸が高鳴るのを抑えながら言うと、凌哉は満面の笑みを浮かべ、 もちろんと頷いた。 「じゃあ、約束ね」 ――約束。