「それに、梨依おもしろすぎでしょ。寝てたのにいきなり大声だすし、かと思えばしょんぼりするし・・・

 百面相?」




「ち、ちがっ・・・なんか夢みたいなの見て」




「夢?」




「うん。覚えてないんだけど、でも、すごく懐かしい感じだった」




 そう言いながら天を仰ぐ。思い出そうとしてみるけれど、思い出せない。




「ま、俺としては夢の内容より、俺のこと思い出してくれると嬉しいんだけどなっ」




(そうだよね、うん)




「うん、思い出せるように頑張るね」




 あたしとしては本心だったのだけれど、凌哉はなんだか違ったみたいで。




「あー、あのさ無理にじゃなくていいんだからな? 別に急いでるわけじゃねーし・・・。

 短気なオトコは嫌われる、ってな!」




 にっとおどけたように凌哉は言った。