~Ryoya side~


 俺は梨依を早目に帰すことにした。




 もしも風邪を引かせてしまっては、梨依の家族に怒られてしまう。




 梨依とわかれた後、俺は後悔の念に苛まれていた。




 なんてこんなにも無神経だったのだろう…




 きっと梨依のことだから、必要以上に気にしてしまっているに違いない。




 俺は気付いて慌てて取り繕ったが、あの悲しげな表情が脳裏に焼き付いて離れない。




「ホント馬鹿だよ・・・。梨依のキモチ、考えてやれなかったし」




 こんなんじゃ梨依が忘れるのも無理はない…か




 

 男として、一人の人間として情けねぇ




 大切な人一人も守れないなんてな







 どうしてこんな俺を梨依は、好きでいてくれたんだろう……