byコウタ

「おい。うそだろ・・・?」
「ねぇ。起きてよ!!ヒロキ!!
 あたしの返事聞いてないじゃん!!」


俺たちが病院に着いたころにはもう、
ヒロキは息をしてなかった。

ヒロキの親が言うには、
ヒロキはひかれそうになっていた子供を
助けて、身代わりになってひかれたらしい。


「ありがとうね。わざわざ来てくれて。」
「いえ。こちらこそ。」
「あなたたち、付き合ってるの?」
「・・・。はい。」

「そう。ヒロキ、ずぅーっとアイチャンの
 ことがスキだったの。
 だから、ヒロキの分も幸せになってね。」

「・・・はい。」


隣でアイが泣いてる。
自然と俺も涙が出てきた。

それから俺たちは何時間いたのかも分からない
まま病院を出た。