ただ真っ白な中で 私は懸命にその足を踏み出し 前方へ手のひらを伸ばす 真っ白なそこは何もある筈がなくて 当然のように空を切る腕 その反動は私の体を地面への引き寄せた 「――――……さんっ!!」 たまらず掴めなかった何かへ叫ぶと 銀色の閃光が走り その鋭い色からは想像もできないくらい 優しい温度に私は包まれた 「見てはいけない」