気まぐれに外に出たのが始まりだった。

「いっくら歩いても痩せない……
どうしてだろ?」

あんぱん片手に歩いているイヌ族の少年

名をイヌタという。

悩みはこの頃太ってきたこと。

だから、こうして歩いているんだけど…

もしかして、食べながらじゃ意味ないのかな?

でもあんぱん美味しいし。

やめられない。とまらない。

「はぁ………ん…??」

目の前には、何か茶色い物体。

遠くてなんだかよくわかんないけど…

「……あんぱんが落ちてる…!?」

ごしごし、と目をこすってみる。

茶色い。丸い。

…間違いない。

なんてもったいないんだ!!

イヌタはその物体に向かって走った。