ぼんやり琉を見ていた望の手に冷たいものが当たった。
雨?
見上げると暗く曇った空から次々と雨が落ちてくる。
「望、こっち」
琉に手を引っ張られて慌てて建物の陰に雨宿りする。
「急に降ってきたね」
ハンカチで琉を拭いながら呟く。
「あー。止むかな?」
「そのうち止むでしょ」
それきり会話が途絶えた。
「琉の腕…もうすぐ治るんだよね…?」
雨音で聞き取れないぐらいの小さな声。
「えっ?」
「ううん、何でもない」
琉を見上げて望は寂しげに笑った。
「望も変だな」
困ったように琉は笑った。
「……そうかもね」
望は琉の肩に頭を預けた。
「望?」
「キスして…」
目を閉じたまま呟いた望を戸惑い気味に見つめた琉は、そっと肩を抱いて唇を重ねる。
「琉らしくないキス…」
目に涙を浮かべた望は琉の腕を振り切ると激しく降る雨の中へ駆け出した。
「望っ!」
驚いた琉も濡れるのに構わず望を追う。
雨?
見上げると暗く曇った空から次々と雨が落ちてくる。
「望、こっち」
琉に手を引っ張られて慌てて建物の陰に雨宿りする。
「急に降ってきたね」
ハンカチで琉を拭いながら呟く。
「あー。止むかな?」
「そのうち止むでしょ」
それきり会話が途絶えた。
「琉の腕…もうすぐ治るんだよね…?」
雨音で聞き取れないぐらいの小さな声。
「えっ?」
「ううん、何でもない」
琉を見上げて望は寂しげに笑った。
「望も変だな」
困ったように琉は笑った。
「……そうかもね」
望は琉の肩に頭を預けた。
「望?」
「キスして…」
目を閉じたまま呟いた望を戸惑い気味に見つめた琉は、そっと肩を抱いて唇を重ねる。
「琉らしくないキス…」
目に涙を浮かべた望は琉の腕を振り切ると激しく降る雨の中へ駆け出した。
「望っ!」
驚いた琉も濡れるのに構わず望を追う。

