ライターの着火ボタンに
指をかける。


「まて!待つんだ!」


男が叫ぶが
真奈は聞く様子がない。



この部屋が炎に包まれるまで
あと一秒。



「これでもう苦しまなくていい」


つぶやく真奈。


そして今まさに
ライターを着火しようとした瞬間。




声が聞こえた。