真奈は小刻みに身体を震わせながら
かつて台所だった場所で


食事の支度をしている。



割れた鍋を
ひっくり返ったガスコンロに掛け



粉々の皿を
薄汚れたテーブルに並べていく。



「もうすぐご飯できるから待っててね」



誰もいない部屋に
真奈の声が響き渡る。


そんな様子を
寒々とした心で見つめる男。