コーヒーを飲み終わりかけた時だった。



「こっちに来れば?」



キャメロンがそう言ったのは。



「こっち?」

「アメリカを拠点に仕事をすれば、恭介は苦労せずにすむんじゃねぇの?」

「………」

「別に日本にこだわる事はないだろ。
それに恭介は世界一。
世界一が望む環境なら誰だって作るよ」

「………」



アメリカで仕事すれば、俺は出来んのか?



仕事に集中出来んのか…?



「世界一ってどんなに性格悪くても受け入れられる、実力を持ってるからね。
実力がない奴は絶対世界一にはなれない」



確かに…、世界一だけじゃなくてもトップレベルの人達の実力は計り知れない。