雪がとけたら




……………


その日は今でも覚えている程涼しい日だった。


僕たちの制服は半袖に変わり、空はしばらく濁ったままだ。

本格的に梅雨入りかな…。
そんな事を考えながら、僕は部活の後片付けをしていた。



言い忘れていたけど、僕はサッカー部に入部した。

小学生の頃からやっていたので、まぁその延長線上だ。

僕は新入部員の中でも(もしかしたら先輩も含めて)案外上手い方だったが、要領があまりよくないらしくいつも後片付けを任される。

別に嫌な訳じゃなかったが、こんな天気の日は早々と帰ってしまいたかった。



…そう、本当に帰ってしまいたかった。











埃っぽい部室にコーンを片付け、手についた砂をパンッと払った。

僕の他にももちろん何人か片付けをしていたが、共同作業が面倒くさくなりとっとと帰してしまった。

チラッと時計を見ると、針は6時半を指している。


…西はもう帰ったかな。


そんなことを思いながら部室を出た。

その時だった。





…僕の目に、あいつの姿が飛び込んできた。

部室の並ぶ通路の端。

丁度あいつの入部したバドミントン部の前。

あいつはいつもの笑顔だった。