雪がとけたら



「まぁつまり、俺と戸田さんがどうこうだなんて考えは、するだけ無駄ってことだよ」


僕は考えていた事を西に言われ、二の句がつげなかった。

「せっかく気が合う友達ができたのにそいつの想い人に横恋慕するほど、俺女の子に困ってませんから」

ニヤッと笑い、西は再びドリブルを始めた。

こいつはいつもそうだ。

人が気にしてることを先に気付き、やんわりとその心配を解してくれる。


確かに僕は、西とあいつがお似合いだって思っていた。

長身美男美女。
少なくとも『ちっちゃい恋人』なんて言われる心配はない。

そんな僕のもやもやを、杞憂だと諭してくれたのだ。


ふっと笑い、僕は言った。


「…『横恋慕』の使い方間違ってるよ」
「え?そう?」
「俺はあいつの恋人でも愛人でもねぇよ」

僕は西からボールを奪った。
西もやる気になり、ゴールを競う。







…西だけじゃなかった。

僕は最近、あいつの隣にいる自分に違和感を感じていた。

僕以外の奴の方が、あいつの隣にいて自然に見えてしまうのだ。

少しずつ、矛盾が大きくなる。


…隣にいたいのに、いたくない。






……………