雪がとけたら




……………


「中川君、もしかして妬いてなんかいませんよね?」


バスケットボールをポンッと叩きながら西は言った。

ニヤッと笑う顔がムカつく。


「何で俺が妬くんだよっ」
「そりゃー俺がいい男だからだよ」

軽くボールをついて、シュッとゴールに投げた。
それは綺麗な弧を描き、パサッといい音を響かせる。


「…偏見じゃなかったのかよ」
「偏見と現実は、時に一致することもあるんだよ」

綺麗にゴールに入ったボールを拾い、西は僕に投げてきた。

「でも大抵先入観は先入観のままだ。今お前は、俺に先入観を持っている。『こいつはかっこいいし、賢いし、背が高いからモテる』。」
「…俺一っ言もそんなこと言ってねぇぞ」
「言わなくてもわかるよ。大抵俺は、そんな先入観を抱かれるから。まぁ強ち外れてはいないけどね。」


こいつ、自慢か?


「でもだからと言って、俺は出会った女の子達を片っ端から口説いたりしないし、むしろちゃんと品定めしてる。」
「何が言いたいんだよ」

回りくどい言い方にイライラして、僕はボールを思いっきり西に投げた。

それを軽く受け止めて、あの笑顔を向ける。