僕の背中にもまた緊張が走る。


「でもね」


そんな僕達とは正反対に、ナァはにっこり笑って言った。


「女の子の成長は、びっくりする程早いんだよ。特に恋なんてしちゃってたら、大人になるのなんてあっという間なんだから。」


勝ち誇った笑顔で「だからね」と続ける。




「諦めてなんか、あげない。今に西君がびっくりするくらい、美人で頭良くて素敵な女性になるんだから」




少しだけ真剣な顔でナァはそう言ったが、すぐににこっと笑う。





「覚悟しといてねっ」





それだけ言うと、僕達の隙間をするりと抜けて帰って行った。

再び呆然としている僕達に一久が言う。

「あいつなりに色々悩んだみたいだよ。まぁ、結果出した答えがあいつらしいけど」

くくっと笑い、ベッドから起き上がった。

確かにナァらしい、かなりポジティブな答えだった。

僕もまたふっと笑う。


「どうするよ西。ナァ、気付いたら超色っぽい女になってるよ」


そんなナァを想像したのか、一久が腹を抱えて笑いだした。

呆然としていた西も、方眉を下げて笑う。




「それは、覚悟しとかなきゃな」








……………