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「よっ!」
マンガの様に肩から鞄をずり落とす西の姿が、何故だか妙に笑えた。
…遊園地に行ってから数日後、学校から帰りいつもの様に西の部屋に直行した。
そこには当たり前の様に居座る一久とナァの姿。
一久にしてみれば、人のベッドの上でバリバリと限定ポテトチップスを食べている(しかもあれは僕が買って一久に食べられない様に西の部屋に避難させておいたやつだ、くそ)。
まぁ、西が驚いたのはそんな失礼極まりない一久の姿じゃなかっただろう。一久の態度が悪いのはいつものことだ。
西が驚いたのは、ナァがいることだった。
「西君」
ナァはひょこっと立ち上がり呆然としている僕達二人に向かって歩いてきた。
入り口の所で止まり、後ろに手を組んで西を見上げる。
「ナァはね、多分、美人っていうより可愛いっていう部類だと思うし、西君程頭もよくないし、西君とこんな身長差あるくらいちびっこだよね。」
わけがわからないまま、西は気の抜けた「はぁ」という返事をする。
そんな西を見て一久が軽く吹き出した。
「到底、西君のお姉さんには敵わないと思う。」
…西の肩に力が入った。



