雪がとけたら



僕はそんな西を見ながらニヤリとした。

ギクッとする西。


「西…お前、ホラーだめなの?」


…立場逆転。

僕は満面の笑みで西を引っ張った。


「ちょ…まじあれは勘弁っ」
「何いってんだよ!男だろ~!?」


嫌がる西を無理矢理引き連れ、入り口へ向かう。

明らかに場違いな男二人組を、不思議そうな顔で受け入れる受付のお姉さんに笑顔を返し、僕は気味の悪い小屋に足を踏み入れた。



…普段は絶対に聞けない西の叫び声が響いてたことは、言うまでもないだろう。












…「やば、足いてぇ」


ベンチに座りシェイクを飲みながら、ふくらはぎを軽く揉む。


「こんなはしゃいだの久々だし」


ははっと笑いながら西もシェイクを飲んだ。



僕達は一日中はしゃぎ回り、気付けば空は茜色に染まっていた。


「でもさすがにあれはなかったな、メリーゴーランド」
「すっげー不審な目で見られてたし」

僕達は昼に乗ったメリーゴーランドを思いだし、また爆笑する。

1日でだいたいのアトラクションは制覇した様に思う。