あのメールが無ければ私はきっと、いや、間違いなく今ここでこうしてアイドルのマンションに居候することにはならなかっただろう。仮恋人なんてふわふわした関係からスタートして、面白くて優しくて頭もよくて更にかっこいいなんてそんな人があたしを好きになってくれるなんて二度と無いとおもったし一緒に居て楽しいし落ち着く最高の人だと思った。気付けばそろそろあの日から2年になる。もう仮なんかじゃない。いまでも悠は最高の彼氏だと思う。ってそんな恥ずかしいこと口にしたこともする気もありませんけどね。
結局私は悠と遼のマンションの空き部屋をひとつ頂き、炊事洗濯掃除なんかの家事をやることになった。


「真結ちゃんが家事やってくれるとまじ助かるわー。あ、お前メシつくれんの?」

いつもの得意なにやりとした笑顔ではなしかけてくる遼に作れるわばーか!なんてまた悪ふざけを始める。なんだか悪い気もしてたけれどなかなか楽しそうじゃないか。悠の浮気の心配も少ないですねぇ。まあ浮気なんてしたってすぐバレるだろーけど。なんたって最強に不器用だから。つーか週刊誌という味方もいるし?なんちゃって。あいつらは敵だ。