『ねえキミ、スターにならない?』
そんな、甘い言葉が罠だった。
なんで気づかなかったあたし!
どうして疑問が浮かばなかったんだ!
告白すらされたことない、色気なんてみじんもないあたしを、アイドル事務所がスカウトするわけないだろうに。
なのに、
「お願いします!!!」
元気に返事をしてしまった。
勘違いもいいかげんにしろ、あたし。
県の平均身長を下げているだろうあたし。
なのに平均体重はちゃっかりクリアしちゃってるあたし。
現実を見るべきだった。
なのに、
なのに、
ほんのちょっとだけ、
キラキラした世界に憧れたんだ。
