コロ… カツン 「?」 足に当たる違和感。 足に当たった物を見ると…ピンクのグロスだった。 …華翁さんの? さっき明君を蹴った時落としたのかも。 少し迷い、あたしは勇気を振り絞って声をかけた。 「華翁さん!」 「……なに」 ぎろっとこっちを見る華翁さん。 う… ちょっと怖い。 ぐ…と口を引き結ぶ。 「こ、これ…華翁さんのだよね?」 「…あ、そうよ。」 ふっと表情を緩めた。 「やっぱり!」 あたしはグロスを手渡した。 「……ありがとう。」 フッ…と華翁さんはとても綺麗に微笑んだ。