「泰樹、これじゃあ駄目だよ」

僕はビクッ、とした。

目の前にいるのはストリートライブをしていた時に声を掛けられたプロダクションの社長。

去年、インディーズでCDを出させてもらった。

恩、があるといえばそうだけど。

それ以降、僕が作る曲に注文ばかりつける。



はっきり言って苦しい。



自分の音楽が作れない。



僕はため息混じりでライブハウスを出た。