「僕が高校を卒業したら…一緒に住もうか」

やっぱりプロポーズですか?

私が茫然としていると智道くんは急に笑い出して

「まあ、それより当面はお互い頑張らないとね」

智道くんはポン、と私の頭を触った。

「特に桜ちゃん、本当に新体操のホープなんだから。
僕と付き合っていて成績が下がった、とかは勘弁してよねー」

アハハ、と智道くんは笑った。



本当にただの笑い事で済めばいいんだけど。

一抹の不安が胸を過ぎる。



「さ、そろそろ行こうか」

手を差し出す智道くん。

私はその手をしっかりと掴んだ。

そこには確かに。

私達を結ぶ僅かな温かさと安らぎがあった。