「雪、かあ」

気がつけばそう、呟いていた。

「…帰りが憂鬱」

ミチルはため息をついた。

「ちゃんと送るから大丈夫だよ」

俺が微笑むと

「それが怪しいの」

ミチルは悪戯な笑みを見せた。



俺は降り続ける雪から目を離せなくなって、騒がしい部屋の中から静まり返る暗闇に光る雪を見つめていた。