「…だから俺は何を言われても自分が納得出来る道へ進む。
泰樹は?」

その、真っすぐな目が僕には強く、激しい。

「…僕はむっちゃんが通っているのを見ていいなって思ったから」

そう答えると知樹はニッと笑って

「大切なのはそういう事だと思うよ。
ただ、言われたからそこへ行く、とか…そんな理由なら実際行って後悔して言った人に責任なすりつけて。
自分はイジケた日々を送る、なんて馬鹿らしいって思うんだよね」

知樹はそっと窓際のカーテンを開けた。

外はもう真っ暗でそろそろ寒さも増してきそうな感じだった。

「…後悔はしたくないね」

知樹が言った言葉が印象的だった。