「門真くんなら問題ないですね」

僕の三者懇談は良い展開だった。

「ただ、もっと上を狙う事も出来ますよ?」

先生は眼鏡を押し上げる。

一瞬、キラーンとレンズが光った…気がした。

「狙いません」

僕がそう言うとママもニコニコしながら頭を下げていた。

あっという間に終わった。

先生はもっと上を狙って欲しいのだろうけど、勉強に追われるのは僕にとっては辛い話。

自由に音楽活動したいしね。



「知樹は絶対嫌って言ってたのに、泰樹は行きたいって…
一卵性なのに二人全然違うのは面白いね〜」

ママは歩きながら笑っていた。