颯人は手を離し、歩き出した



あたしはどうすればいいかわからず、たたずんでいると颯人が振り返った




「ちぃ、おいで」




"ちぃ"と呼ばれるのは初めてだった



あたしは1日、颯人に町を案内してもらった



あたしは何も話さなかったけど



颯人がずっと話しかけてきてきてくれて苦じゃなかった




「明日な、ちぃ」




颯人は家まで送ってくれそう言い残し帰って行った



これが…颯人との



出逢いだった