「ううん。大丈夫だよ」


松尾君はフワッと笑った。




「……松尾君」


「告白した時からわかってた。フラれること」




松尾君はそう言うと、少し俯いた。


……松尾君の表情を見たら、なんだか少し後ろめたい気持ちになった。




私、悪いことしちゃったのかもしれない。


……ちょっとだけ、そんなことを思ってしまった。




「本当に……ごめん」


「謝らないで。新山が悪いわけじゃないから」


「……うん」


「じゃあ俺、教室戻るな」




松尾君はそれだけ言うと、私の頭をクシャクシャと撫でてから図書室を出て行った。