「……行ってきます」


翌日、私はいつもどおりに家を出た。




カバンからそっと昨日の手紙を出した。


その手紙を、もう一度読み返してみる。




「……もう、この内容は果たせないね」


陸はもう……ここには居ないから。




この手紙の日付は、12月5日と書かれていた。


……陸が死ぬ、ちょうど一週間前だ。




「もう……陸のプロポーズを受けられないんだね、私」


陸のプロポーズ、聞きたかったな。




……その時まで、続いていたらの話だけど。


もし陸が死ななかったから、私は陸と今でも続いて居たのかな?




……と、時々思う。