……でも私を陸を好きになってよかったと思う。


こんなに人を好きになるのがこんなに愛しいことだなんて、陸が居なきゃきっとわからなかったと思う。




「……本当に、もう陸くんのことはいいの?」


真由子が私を見つめる。




「……うん」


陸のことを胸にしまっていれば、私はきっとこれからも大丈夫だから。




「……そっか」


真由子がニコリと微笑む。




「うん。……陸のことは、もういい思い出にすることにした」


でもね、陸のことをキライになろうとしてるわけじゃない。




キライになるんじゃなくて……"いい思い出"にするだけ。