髪を乾かし終わり、わたしはマグカップを拝借して、ココアを飲んでいた。 洗面所からはドライヤーの音が聞こえた。 今、先輩の家にいるんだよね…。夢みたいなことが現実に起きている。しかも泊まりなんて…! 男の人の家に来たのは初めてだった。しかも初めて来たのが大好きな先輩の家だなんて。 幸せ過ぎてばちが当たるかもしれない。 なんてことを考えていると、先輩が髪を乾かし終えて戻ってきた。 先輩もココアを作って、わたしの隣に座った。 一瞬にして心拍数が上がる。