1校時目は数学だった。 教科書とノートを出してぼーっとしていると、 「あんさ、教科書見せてくんね?」 結城くんが控えめにそう言ってきた。 「あ、うん」 教科書を真ん中に置く。 「おおきに」 結城くんがにこっと微笑んだ。 っ格好良い…! 全然いいよ!と言いながら結城くんから顔を逸らした。 なんだか顔が熱い。何照れてんのわたし! せ、先輩の方が格好良いよっ!