4月


今度こそ、本当に
桜の季節


駅の待合室に座って
メールを確認する。
朝の日課だ。


しっかし、いい天気だ。

薄い霧上の霞に、
桜が満開で、
何とも言えない
ほのかな景色

ガラスフィックスから
見える景色に、
呆然と目線をくれた。


・・・なんだよ。
ガキんちょ。


ガンミすんなーーー


向けた目線の先には、
まだ、着慣れぬのだろう
スーツのサラリーマンが
座っていて、
こちらを凝視していた。


・・・あんな知り合い
いたっけ?


思い出せない。


急行列車が、駅に滑りこみ
その男は、慌てて
待合室を出ていった。


なんだありゃ・・・


ああ、私も
いかなきゃな。

この電車だ。


仕事のファイルが、
がっさり入った鞄を肩にかけて、
私もその小部屋をでた。