でも・・・
・・・俺のこと
少しは見ていてくれたと
思ってもいいですか?
暑いはずの、この景色の中を
涼しげに歩くあなたを見送る。
名前くらい、
きけばよかった。
手の中で、汗をかいてきた
イチゴオーレのパックに
ストローをさす。
夕方色に移行する景色の中
甘ったるいそれを吸い込み
あなたの後ろ姿を見送る。
幾分進んだところで
こちらを振り向くあなたに
見とれてしまえば。
「会社、戻らないの?」
不思議そうに、あなたは言う。
「あ、行きます。
戻ります!」
慌てて、ジュースを飲み干し
再び歩きだした
あなたを追う。



