「目、閉じていて。」

そういうとレイはドロップの手のひらに手を重ねた。
ドロップが目を閉じると少しだけ暖かいモノが手の上に広がった。

「いいわよ。」

その声にドロップが目を開けると、手のひらの上に水で出来た花があった。

「これ?」

「水の花。私が出来るのはこれくらい。持って行って。何かの役には立つわ。」

レイが渡したのは願いの花。
ドロップ達を守ってくれるように。

「ありがとう。」

「どういたしまして。」

使う事などないといい…と想いを込めながら…。

「話、長くなっちゃったわね。」

話し始めたのは朝だったのに、気付けば太陽は真ん中を過ぎていた。

「今日もゆっくりして行って。」

レイの申し出はありがたいモノだった。

三人ともレイの話を聞いて考えたい事があった。
いつ襲われるか解らない外では考えはまとまらない。

今はそれぞれの答えを探したかった。