「…と。私が知ってるのはここまでなの。」

レイは最後は申し訳なさそうに呟いた。

「ううん。ありがとう。話してくれて。」

ドロップはレイのおかげでまた一つ知る事が出来た。
ドロップの笑顔にレイも笑顔を見せた。

フォールは今の話を一人で考えていた。

彼は石の力の違いも知っていた。
そこまで夢に見て、そして、進んでいた。
彼の願いの為に。

「今あなた達を狙っている奴の見当はつかないけれど…きっとドロップはこの後も狙われるわ。」

ドロップ達は頷いた。
昨日だってギリギリ逃げられた。
きっと次はもっと大変だろう。

「……それでも行くのよね?」

レイは真っ直ぐにドロップを見た。

「もちろん。」

ドロップにも譲れないものがある。
答えは決まっていた。

レイは答えは解っていたものの、少しだけ寂しそうに笑った。

「後、あなたに私がしてあげられるのはこれくらいね…。ドロップ、手、出して。」

ドロップは言われるまま、レイの前に両手を出した。