スノー・ラヴァーズ



「ドロップ。あなたに私の知っている全てを話しておくわ。」

レイの真っ直ぐな視線にドロップは頷いた。
イオンはレイに従うのだろう、黙って様子を見守っていた。

「おそらく、今、あなた達の目指している場所は¨約束の場所¨。」

「約束の場所…。」

ドロップはそれを確認するように言葉にした。

¨約束の場所¨

三人はその場所に聞き覚えがあった。
そこはノアが最後に力を使った場所だった。
フォールは石の光から見当を付けていたが、今の言葉で確証を得た。

「そこには番人がいる。番人に証〈アカシ〉を見せれば¨祈りの間¨に入れるわ。」

レイの話は夢のままだった。
やっぱり夢は現実だった。

遠い昔。
オータムもノアもそこを訪れた。
願いを叶える為に。

証〈アカシ〉は力の石、スノー・ラヴァ―ズとブロッサム・ラヴァーズだった。

「証〈アカシ〉は二つ。太陽〈ユア〉の石と月〈ムエジ〉の石。スノー・ラヴァ―ズが太陽〈ユア〉の石よ。同じ力の石だけど違いがあるらしいわ。」

「違い…?」

ドロップは石の違いについて、今まで聞いた事がなかった。

「ごめんなさい。違いについては私も詳しくは知らないの。ただ、違う物だとザムが教えてくれた事があったの。」

レイは言葉を濁した。
本当に知らないのだろう。

「おそらくはノアの持っていたスノー・ラヴァ―ズの方が力が強いとは思うのだけれど…。」

ドロップは自分の胸にあるペンダントを見た。