スノー・ラヴァーズ



朝食を終えると、食後のお茶を出しながらレイが昨日の続きを話し始めた。

レイは¨力¨の事以外にもドロップ達に話すべき事があった。
昨日ドロップはノアのように¨力¨は使わない、と言っていた。
けれど。
ノアだって最初は使う気なんてなかった。
だけど。
あの時は使わなければならない状況だった。

さらに。
使う気はないとは言うものの、ドロップ達の目指す方向は力を使う為の場所へ向かっていた。

「ところで…。あなた達、何処へ向かっているの?」

「えと…。」

レイの質問にドロップは思わず言葉を詰まらせた。
先日もリムやフォールとその話をした所だったがやっぱり正確な位置を目指している訳ではなかった。

「それが関係あるのか。」

それを見たフォールは口を出す。

「あなたに聞いてない…けれど関係あるわ。」

レイは哀しい顔をした。

皆そうだ…とドロップは思っていた。
リムも、フォールも。
新しく出逢ったレイも。
皆、時々哀しい顔を見せる。

ドロップは哀しい顔を作りたくないから進んでいるはずなのに。
それは簡単な事ではなかった。