「薄紫色の髪の君、よく解ったね。」

「え?」

突然の大洪水に思考を巡らせていたリムの上から急に女性の声がした。

―ストン。

木の上に降りる音を聴き、見上げると、その声の主は同じ高さに降りてきた。
紺色の綺麗な短い髪。
碧く深い瞳の持ち主だった。

「はじめまして。」

彼女はそうニッコリ笑った。

「レイ、ここで話しているわけにもいかないだろう。」

先程ドロップを助けた銀色の髪の男が彼女に向けてそう話す。

「そうだった…。ね、三人とも寄り道できる?」

彼女はドロップに向かって笑顔でそう問いかけた。

リムやフォールとしては得体の知れない彼女達に付いて行くのは賛成できない。
もちろん、ドロップを助けてもらった恩はあるものの、彼女達の目的が解らなかった。

けれど…彼女達には圧倒的な力を見せつけれらたばかり。
断ればどうなるか解らない。

二人はドロップの勘に判断を任せて視線を送った。