「ドロップ!!」

「ちっ…。」

リムとフォールは慌ててドロップの傍へ行こうとするが、他の奴等が邪魔で進めない。
もちろん、距離的にも難しい。
ドロップも突然の襲撃にバランスを崩し、回避が間に合わないように見えた。

「覚悟っ!!」

ドロップは必死に回避方法を考えていたが時間が無い。
振り下ろされてくる剣を睨みながら、何とか避けようと構えていた。

―キーンッ!!

敵が力いっぱい剣を振り下ろした瞬間、剣と剣が当たった音が響いた。

「え…?」

ドロップの前には一人の男が居た。
リムでもフォールでもない。
一瞬の事で、ドロップも敵も、彼がいつそこへ来たのかさえ解ってはいなかった。
彼は銀色の短髪で、盗賊…のような身軽そうな恰好をしていた。
そして、ドロップに襲い掛かってきた奴の剣は彼の持つ細く綺麗な剣にすっかり止められていた。

その場にいた全員が戸惑っていると、急に銀髪の男はドロップを掴み木に上がった。

「な…!!」

フォールが言葉を発しようとした瞬間、リムもフォールを掴み木の上に上がった。

その瞬間。
大洪水が起きた。

「うあ!!」
「助けてくれー!!」

襲ってきた奴らはすべて流れていた。