龍生は黙って
病室を出た。
家族が壊れていく。
いつからこうなって
しまったのだろう。
美音は自分を責めたけれど、
龍生も自分を責めたくなった。
あの日、リビングで
キスしていなければ、
こんな事には
ならなかったかもしれない。
油断していた。
母親が帰ってくる
可能性を考えていなかった。
どれだけ後悔しても、
時間を元に戻すことはできない。
そして、龍生は決意した。
美音と離れる事を。