ところが、
その隠し事は案外早く
龍生の知る所となる。
ある日、龍生が
休み時間に
飛び込んできた。
「おい!!小早川って奴
このクラスに居るか!?」
「俺だけど…。」
「お前、俺の
姉ちゃんに
何したんだよ!?」
実際双子なので、
あまりどちらが
上とか下とかは
気にしたことはなかったが、
「俺の…」に続く
適当な言葉が
見つからなかった。
まさか、「俺の美音」
なんて言える訳がない。
「何って?」
「とぼけるな!!
お前、美音と
二人きりになった時に
キスしたんだろ!?」
「それがどうしたよ?
俺は好きだから
やったんだ。
それのどこがいけない?
あんた相当な
シスコンだな。」
「うるせぇ、黙れよ。」
龍生はその言葉にキレて、
圭太の胸ぐらを掴んだ。