「なんで目合わせないんだよ。」



「別に。男同士で見つめ合うとかキモ。」



圭は目を反らしたまま。

確かにキモいけど。


「お前さ。もっと‘この子だけ”って子早く見つけろよ。」


圭はビックリしたのかこっちを見た。


やっと見たな。

「うるせぇよ。見合い話しかよ。」


でも、直目を反らす。


「そうじゃなくって。
お前羅夢が好きとか言ってるけど嘘だろ?
だってぜんぜん「っるっせぇ!!」


圭が久しぶりに声を荒げる。



「俺は女なんてどうでもいーんだよ!!
女なんて・・・・・・。」



圭の瞳から大きな滴が1滴。

また1滴と流れ落ちる。


「話せる所まで話せ。」



俺が言うと圭はコクリと頷いた。



「俺。昔さ。兄貴に言ってないけど中2の時藍(あい)と付き合ってたんだ。


告白されたから、Okしたわけ。

そしたらさ、告ってきたのはあっちなのに浮気されて、

最初は上手くやってたのにな。



女なんて簡単に裏切るんだよ。


女なんて・・・・・・ッ・・・・・・」



あぁ。

そうか。
圭は恋に臆病になっていたのかも。

だからいっそどれでもイイやってなったのかも。