流から離れ、
お父さんと恵さんの前まで
ゆっくりと歩く。
「私…もう一度笑いたい。家族四人で、ご飯が食べたい。
家に、…帰りたい」
戻れるなら、
もう一度。
笑顔が溢れる、私の家。
「戻って来い、理沙の家はここだけだ」
優しく、力強いお父さんの言葉。
「そうよ、理沙ちゃんは大事な家族。私の大切な、娘よ…」
優しい眼差し。
お母さんの瞳だ。
「おかえりなさい」
お父さんが言った。
「……っ、ただいま!」
そのままお父さんに抱きついた。
お父さんはゆっくり、
まるでちっちゃい頃のように、
私をあやす。
トントン、トントンと
背中を叩いてくれた。
恵さん、…お母さんも朱音を抱いたまま、
穏やかな表情で見ていた。
やっと私は帰れたんだ。
あったかい、家族と言う名の家に……。

