「違うのよ!」
それまで黙っていた恵さんが、
いきなり大きな声で叫んだ。
「聡さんは良いお父さんよ!理沙ちゃんのこと、すごく大事に思ってる。…理沙ちゃん知ってる?
聡さん、よくあなたの姿見に行くのよ?」
「え…?」
お父さんが私のところに…?
「でも…」
でも、お父さんと会うの家を出てからは今日が初めてだよ?
「聡さん…テレてるの、それに少しの恐怖感。
理沙ちゃんの年頃って、父親をけむたがるでしょ?
だからあなたの姿を見るだけで帰ってきてしまうのよ…」
それで家に帰って来てから後悔するの、
と恵さんは言った。
お父さんを見ると、
私からパッと目を逸らして
視線を合わせようとはしない。
今のって、本当?
私に会いに来てくれていたの?

