ずっとそれを気にして練習しても、集中出来るわけもなく。




いつしかみんなも、成海の話をしなくなった。








「……冬、か」




練習が終わって、隣にいた平塚先輩がふとそう呟いた。


その呟きに白い息が目立つようになってきた寒空を、ゆっくりと見上げる。







空は眩しく光り。
空気は澄み。




日が経つのは早いもので、気が付けばもう既に秋から冬に変わりかけていた。






季節が変わっても、俺たち野球部に変わりはなく。









大事な試合があるわけでもないから、ただ平凡と練習を重ねる日々が続いていた。