最近までの大雨が嘘の様に、すっかりきれいな青空が輝いている。 「忘れ物は…ないっと。」 そう呟きながら、カバンの中身をもう一度確かめた。 …そろそろ行こっかな。 私は靴を履き替えて、ゆっくりと家を出た。 ―今日は試験当日。 久しぶりにヴェルサス城へ向かう。