「…エミリア」 ぼそっと呟いた。 「ふーん。」 そう言うと、この男も立ち上がって帰ろうとする。 「ちょっと!!普通、人に名前聞いたら自分も言うでしょ!?」 聞き逃げか!? 思わず叫ぶ私。 すると男はピタリと止まって、ゆっくりとこちらを向いた。 「…ガク。」 それだけ言って、また歩き出した。 ガク……ね。 失礼な男だホント。 はぁともう一つ息をついて私も歩き出した。