あれから。私たちは2人で。

春子さんとお兄様に、そして私の両親に、
「2人で未来を歩いて行きたい」と話したんだ。

春子さんは涙ぐんで喜んでくれた。

お兄様は私の頭を優しく撫でてくれた。

お母様は、
「私たちは美由紀の幸せが一番なの。金平さんがお店に圧力を掛けたって構わない。娘の不幸と引き換えになんて、ならこんなお店いらないわ」

お父様は、
「オレはまだ現役の板長だぞ。どこでだって雇って貰える。だから美由紀は心配するな」

私は最後は大泣きしてた。隣でずっと圭吾さんが手を握ってくれていた。

「オレに3年、時間を下さい。今はだだの田舎育ちの大学生だけど、3年後には胸を張って美由紀さんを迎えられるようになりますから」

そう言い切った圭吾さんからは決意のオーラが滲み出ていた。