青い涙【短編】




「新庄雅也です。今年教員の採用試験に受かりました。初めての担任を持つことになります。みなさん、一年間よろしくお願いします」





ニコッと笑ったその新庄先生はスラスラと自己紹介をした。





みんな新庄スマイルにうっとりしていた。





特に一番危ないのは…由里香だった。





男子はつまんなそうな顔で新庄先生を見ていた。




私は……
正直、23で担任とはどうかと思ったけど別にどーでもよかった。





まぁ由里香のせいでイケメン嫌いになったのは確かだし…






それにこの新庄って奴はかなり変な担任だった。



即に生徒の顔を全員自覚し、
「悩みがあったらいつでも聞く」と生徒全員に自分のアドレスと携帯番号が書いてある名刺を配った。




しかもスーツの胸元のポケットにバラなんか飾ってあるし…





何この教師!?
熱血目指してんの!?
自意識過剰なんか!?





一生懸命にセットされた髪型だけが、風に靡いていた…