放課後



あー......疲れた。

休み時間の度に女子が智也の事聞いてきて......

で、何故か私はもう既に智也の彼女という位置にされてるし。

まだ返事してないのに......



「舞波。お疲れ様ー。アイス奢ってあげるぞ!」

亜希が売店からアイスを買って持ってきてくれた。

「大変だったね。でも、舞波が超カッコいい転校生の幼馴染みだったとは!しかも、舞波の事を追って編入してきたんだもんねー。ドラマみたい!」

「亜希。人事だと思って!面白がらないでよ!」

私はアイスにかぶりつきながら、少し不機嫌に言った。

「ごめんごめん。舞波は安東ちゃんが好きなんだもんねー。」

え?
私は危うくアイスを落とす所だった。

だってそれくらいビックリしたんだもん。

「亜希......今なんて......?」

「舞波は安東ちゃんが好きなんでしょ?」



......やっぱりバレてたんだ。



でも

「もう終わっちゃったよ。フられたの。生徒と教師だもん。叶わないよ......」

あ。やばい。
また泣きたくなってきた......

だけど、亜希は首を傾げて

「安東ちゃん、まんざらでもないと思うけどなぁ。さっきだって、舞波の事ずーっと見てたし、智也君が舞波に告った時、辛そうな顔してたよ?」

と言った。

えっ?
先生が......?

嘘!だって、先生は私を突き放したじゃない!

でも......

「逢いに行ったら?」

亜希が言う......



うん。
逢って、もう一回きちんと話をしよう。



ガラッ。

「舞波ー。サッカー部明日から行く事にした。一緒に帰ろうぜ!」



......智也......

何ていうバッドタイミング......

「あらら。ご愁傷様。」

「はぁ......じゃあ、明日ね......」



私は、肩をガックリと落としながら、鞄を持ち教室を出た。

周りの女子からは、羨ましそうな目で見られてるけど、私は先生と話がしたかったのに......